「吊」
さぁさ、首を括りあそばせ
來吧、把頸項捆起來吧*
生まれ落ちたあの日が思い出せないから
因為無法回想起出生的那日
叫ぶ心の臓は偽りの無い声を上げ
吶喊的心臟發出毫不虛偽之聲
向かい見つめ合うその両目は己が姿が見えているか
與對面互相凝視的雙眼 是在注視你自己的身影嗎
痛む先へ足を踏み入れ御対面
踏進痛苦前方的對面
吊るし上げて喚き散らす命を乞う醜態
上吊着胡亂叫喊 乞求活路的醜態
誇り高く翳した嘘 音を立てて崩れて行く
自豪地說出的謊言 發出聲音逐漸崩塌
吊るし上げて嘔吐き散らす濡れた温もりの艷
上吊着吐了一片 沾濕了溫暖的豔麗
ゆらり揺れて絞まる痛み遠退く私を引き摺り戻す朝
飄蕩搖曳 緊絞的痛楚在早晨中把遠去的我拽回來
さぁさ、首を括りあそばせ
來吧、把頸項捆起來吧
泣いて帰ってきた それが私の罪と罰
那哭泣着歸來的 是我的罪與罰
一度で足りぬなら二度三度と括りあそばせ
若一次不夠便捆起第二次第三次吧
何度でも…何度でも…死んでしまえばいい
無論多少次……無論多少次……死掉就可以了
縛られぬ様に縛り付けられきつく雁字搦め
為了不被束縛而被結實地綁縛 緊緊地五花大綁
首の枷が未だ見えぬ阿呆 故に雁字搦め
頸上的枷鎖仍未能看見的蠢材 因而五花大綁
吊るし上げて終わらせましょう 骸から覗く日々
上吊着讓這終結吧 從屍骸窺視的日子
誇り高く翳した嘘 節穴塞ぐ目眩し
自豪地說出的謊言 堵住節孔的幻術*
吊るし上げて始めましょう 宵が剥ぎ取られて行く
上吊着讓這開始吧 深宵被逐漸剝去
ゆらり揺れる己が骸 見つめ迎えるは今生の別れと
飄蕩搖曳的自己為屍骸 凝視着迎接的是今生的離別
手繰り寄せた縄の先で微かに蟲の息を感じるから…ほら
因為在拉過來的繩子的先端 微微感受到蟲子的氣息……看
今一度その手に強く力を込めて絞めましょう
再一次在那手中 集中更強的力氣絞緊吧
*註解:
あそばせ:原句使用了一種普遍為女性用、較文雅的「遊ばせ言葉」,意思與「ご覧ください」「ご覧」等相同
節穴:可指板上的節孔、或形容「瞎眼」,根據上句「從屍骸窺視」,此處可能指「眼睛」
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