《某些追憶》(或るレミニシェンツァ)
朝靄の仄明かり
晨霧的微明
古いページ ひとつひとつ捲り
一頁又頁地 翻過古舊的書頁
穏やかに綴られた
被平靜地書寫出來的
言葉の欠片が 淡く懐慕を撫でる
詞句的碎片 淺淺撫慰思慕
どこまでも 高く流れる雲と風
浮雲與微風 不論身處何地仍在高處流動
それだけが かつて愛した 世界のすべて
只有它們 是曾經愛過的 世上的一切
あの煤にまみれた手で
在用那雙滿佈煤灰的手
掴み取ったその先に
所實現的往後裏
訪れた今日は決して
到來的今天
優しいだけの想像ではないけれど
雖然絕非僅是親切的想像
「さよなら」さえ言わぬまま
就連「再見」也不說
背中合わせに進んで
便分道揚鑣地前進
されどなお 互いに預け
然而
託したものは 久しく繋がってゆく
互相寄託的事物 仍會長久地連繫下去
暮れなずむ街角に
在夕陽久久不下的街角裏
伸びる影絵 ひとつひとつ踏んで
一步一步地踩踏 拉長的影子
晩鐘に溶けてゆく
並逐漸融入晚鐘的
ふたつの足音 微か追憶に灯る
兩道腳步聲 在追憶中微微亮起
いつまでも 輝きを失くさぬ君の
不論何時 你亦沒有失去光輝
その姿 かつて焦がれた 世界のすべて
那道身影 是曾經滿心憧憬的 世上的一切
この小さく痩せた手で
在用這雙瘦小的手
立ち向かったその先に
所面對的往後裏
変えられる明日は決して
得以改變的明日
望む通りの理想ではないだろう
我想 絕不會是如願的理想
再会は願わぬまま
從此不求再會
背中越しの面影に
擦肩而過的身影
されどなお 共に目指して
然而 仍一同當作目標
信じたものは 果てなく繋がってゆく
並相信的事物 將會無止境地連繫下去
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