「残月」(曉月)
腐れ畳 残月に軋む足音
腐爛的疊蓆 曉月下扭曲的腳步聲
闇夜に晦む笑みは 然も煌々と
黑夜中笑容隱晦 卻萬分明亮
真昼の空に白く張り付く
耀眼地緊黏在正午的天空
夜明けの晩に 鶴と亀が滑った
將明之夜裏 鶴與龜滑倒了
「泥々の海に片身を浮かせ、僕自身を飲み込み嗤笑いました」
「半身載浮載沉的泥濘之海、吞噬並嗤笑了我」*
腐れ畳 ひいふうみいよの数え歌
腐爛的疊蓆 一二三四的數數歌
後ろの正面 孕み胤の兄様が
正後方 孕育之胤的兄長大人*
「其れは其れはもう私の中で、螺子れ這い廻り犇めきます」
「那可是早已在我的體內螺旋般匍匐推擠」
朦朧 錯落 回環 爛れた貞操
朦朧 錯落 回環 糜爛的貞操
揺曳 狂悖 溷濁 歪に歪む
搖曳 狂悖 混濁 歪斜中扭曲
腐れ畳 残月に呻く足音
腐爛的疊蓆 曉月下呻吟的腳步聲
臥所に晦む笑みは 然も轟々と
卧房中笑聲隱晦 卻如雷貫耳
血眼に仰け反り見開いた
對充血的眼睛後仰睜眼
翫弄の籠の中 いついつ出やる
翫弄的牢籠中 何時才飛離
「三十六度の貴男の膿に浮き沈み澱む、ゆらゆららぁと」
「在你三十六度的膿中輕輕地,載浮載沉積澱」
朦朧 錯落 回環 爛れた貞操
朦朧 錯落 回環 糜爛的貞操
揺曳 狂悖 溷濁 歪な歪み
搖曳 狂悖 混濁 扭曲的歪斜
結んで 開いて 開イタ 其ノ手ヲ結ビ
緊扣那 緊握過 又鬆開 張開了的手
ぎちぎちぎち がたがたがた だらだらだら
緊緊相握 抖抖簌簌 滴滴答答
接吻をして
接吻
*註解:
僕自身:實際讀作「すべて」,即「一切」
兄様:實際讀作「あなた」,即「你」
與「十三夜」、「後ノ今宵」為系列作,其中本作為弟弟視角,「十三夜」為哥哥視覺,「後ノ今宵」為姐姐視角;故事中發生順序為「十三夜」之後
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